ナビゲーションが迷いやすいサイトの共通点
2026年 5月22日
Webサイトの改善相談で、「情報はあるはずなのに、目的ページへたどり着けない」という問題はかなり多くあります。
特にBtoBサイトでは、サービス、事例、資料、技術情報、採用、企業情報など、情報量が増えやすいため、ナビゲーション設計の難易度も高くなります。
しかも厄介なのは、ナビゲーションが迷いやすいサイトほど、「メニュー数が多いから仕方ない」と考えられていることです。
しかし実際には、単純に情報量が多いことが問題なのではありません。
本当に問題なのは、「ユーザーがどの視点で情報を探しているか」が整理されていないことです。
つまり、ナビゲーションが迷いやすいサイトには、“情報を載せる視点”はあっても、“探す視点”が不足しているケースがかなり多い。
今回は、実務でよく見られる「迷いやすいナビゲーション構造」の共通点について整理します。
「全部見せたい」が、逆に探しづらさを生む
ナビゲーションが複雑になるサイトでは、「必要な情報を漏れなく見せたい」という発想が強いことがあります。
その結果、グローバルナビゲーションに大量の項目が並びます。
- サービス一覧
- 機能一覧
- 導入事例
- 業界別活用
- 料金
- サポート
- 技術情報
- お知らせ
- ホワイトペーパー
- 採用情報
もちろん、それぞれ必要な情報です。
しかし、人は選択肢が増えるほど、判断コストが上がります。
特に初回訪問ユーザーは、「この会社は何をしているのか」すらまだ理解できていない場合があります。その状態で大量の選択肢を並べると、情報量ではなく、“判断負荷”が増えます。
つまり、ナビゲーション設計で重要なのは、「全部見せること」ではなく、「今のユーザーに必要な選択肢を絞ること」です。
企業側の組織構造でメニューが作られている
これはかなり多い問題です。
ナビゲーションが迷いやすいサイトでは、メニュー構造が“社内組織”ベースになっていることがあります。
例えば、
- 事業本部別
- 部署別
- 製品カテゴリ別
- 社内呼称ベース
で整理されている状態です。
しかしユーザーは、社内構造を理解しているわけではありません。
ユーザーが考えているのは、
- 何を解決できるのか
- 自分に関係あるのか
- どこを見れば判断できるのか
です。
つまり、「会社がどう分類したいか」と、「ユーザーがどう探すか」がズレている。
この状態だと、情報は存在していても、“探し方”が分からなくなります。
ラベル名が抽象的すぎる
ナビゲーションで意外と大きいのが、ラベル名です。
例えば、
- ソリューション
- ナレッジ
- DX支援
- イノベーション
- プラットフォーム
のような、意味範囲が広い言葉です。
もちろん社内では意味が共有されているかもしれません。しかし初回訪問ユーザーは、その言葉だけでは内容を予測しづらいことがあります。
特にBtoBでは、似たような言葉が各社で使われているため、差別化より先に「結局何なのか分からない」が起きやすい。
つまりナビゲーションラベルでは、“かっこよさ”より、“予測可能性”の方が重要です。
ユーザーは、クリック前に「ここに何がありそうか」を判断しています。
その予測ができないラベルは、結果として迷いやすさにつながります。
階層が深すぎると、位置感覚を失いやすい
情報量が増えると、階層構造も深くなりやすくなります。
しかし階層が深すぎるサイトでは、ユーザーが「今どこを見ているのか」を見失いやすくなります。
特に、
- メガメニュー
- 多段階カテゴリ
- 大量の子ページ
- 複雑なパンくず
などが組み合わさると、構造理解がかなり難しくなります。
しかも最近は、CMS運用の中でページ追加が繰り返され、「後から継ぎ足した構造」になっているサイトも多い。
その結果、カテゴリ分類が崩れたり、同じ情報が複数箇所に存在したりします。
つまり、迷いやすいナビゲーションの背景には、「情報構造が成長しすぎて整理されていない」という問題もあります。
現在地が分からないUIになっている
ナビゲーションでは、「どこへ行けるか」だけでなく、「今どこにいるか」も重要です。
しかし実際には、現在地が分かりづらいサイトもかなり多い。
例えば、
- グローバルナビのアクティブ表示がない
- パンくずが不自然
- カテゴリ関係が見えない
- 関連ページ導線が弱い
などです。
特にBtoBサイトでは、複数ページを比較しながら閲覧するケースが多いため、「今どの文脈にいるか」がかなり重要になります。
現在地が分からないと、ユーザーは毎回“サイト構造を再理解”する必要が出てきます。
つまり、ナビゲーションとは単なるリンク一覧ではなく、「情報空間の地図」でもあります。
モバイルで崩れているケースも多い
最近かなり増えているのが、PC前提で作られたナビゲーションです。
PCでは成立していても、スマートフォンになると、
- 階層が深すぎる
- 開閉が分かりづらい
- タップ領域が狭い
- 今どこを開いているか分からない
という状態になることがあります。
特にハンバーガーメニューでは、「情報を隠しすぎる」問題も起きやすい。
その結果、本来重要だった導線が、メニューの奥に埋もれてしまうこともあります。
つまり、PCで成立する情報構造が、そのままモバイルで成立するとは限りません。
ナビゲーション設計は、“画面サイズ変更”ではなく、“探し方変更”として考える必要があります。
迷いやすさの原因は「情報不足」ではなく「整理不足」
ここはかなり重要です。
ナビゲーション改善というと、「情報を増やす」方向へ行くことがあります。
しかし実際には、問題なのは情報不足ではなく、“整理不足”のケースが多い。
特にBtoBサイトでは、
- サービス追加
- 事例追加
- SEO記事追加
- 資料追加
を繰り返すことで、情報量はどんどん増えます。
その一方で、「ユーザーがどう探すか」の再設計が追いつかなくなる。
つまり、迷いやすいサイトの多くは、“情報が多い”のではなく、“情報構造が成長に追いついていない”状態です。
ナビゲーションは「サイトマップ」ではなく「思考補助」である
ナビゲーションを単なるリンク一覧として設計すると、迷いやすさは解消しません。
本来ナビゲーションは、「ユーザーが次に何を見ればいいか」を支援する仕組みです。
つまり、
- 何を探している人か
- どの検討段階か
- 何に不安を感じているか
を踏まえて設計する必要があります。
特にBtoBでは、比較検討期間が長く、複数人が閲覧します。
そのため、「全部見せる」より、「判断しやすく整理する」方が重要になります。
つまり、ナビゲーション設計とは、“情報整理”ではなく、“思考整理支援”でもあります。
まとめ
ナビゲーションが迷いやすいサイトには、かなり共通した特徴があります。
- 選択肢が多すぎる
- 社内構造ベースになっている
- ラベルが抽象的
- 階層が深すぎる
- 現在地が分かりづらい
- モバイルで崩れている
そして重要なのは、ナビゲーションを「サイトマップ」ではなく、「ユーザーの判断支援」として設計することです。
特にBtoBサイトでは、ユーザーは“情報閲覧”ではなく、“比較検討”をしています。
つまり本当に必要なのは、「全部載せること」ではなく、「迷わず前に進めること」です。
レアテクトでは、単なるメニュー整理ではなく、UX・情報設計・比較検討構造まで含めたナビゲーション改善を支援しています。
もし「情報はあるのに見つからない」が起きている場合は、ページ追加より先に、“ユーザーがどう探しているか”を見直す必要があるかもしれません。