情報設計で決めるべき範囲とは
2026年 4月19日
「情報設計をお願いします」と依頼されたものの、具体的に何を決める作業なのか分かりにくい。このような状態のままプロジェクトが進むと、ワイヤーフレームやデザインの段階で認識ズレが発生し、手戻りが増えます。結論から言えば、情報設計とは「ユーザーが目的を達成するために、どの情報を、どの順序で、どの構造で配置するか」を決める作業です。見た目の前段階ではありますが、サイトの成果を大きく左右する最も重要な工程の一つです。本記事では、情報設計で何を決めるのか、どこまでが情報設計なのかを整理します。
情報設計とは「ユーザーの理解の流れ」を決める作業
多くのプロジェクトでは、情報設計を「サイトマップ作成」と捉えがちですが、それだけでは不十分です。情報設計の本質は、ユーザーが訪問してから意思決定するまでの理解の流れを設計することです。つまり、どの情報を先に見せ、どの情報で納得し、どの情報で行動に進むのかを整理する工程です。
- ユーザーが最初に知るべき情報は何か
- 比較検討に必要な情報は何か
- 信頼を形成する情報は何か
- 行動を後押しする情報は何か
- 情報の順序は適切か
この流れが設計されていないと、情報はあっても伝わりません。サービス説明、事例、料金、強みなどが存在していても、読む順序がバラバラだとユーザーは判断できず離脱します。情報設計は、この理解の順番を定義する作業です。
情報設計で決めるのは「構造」「分類」「優先順位」
情報設計では主に3つの要素を決定します。構造、分類、優先順位です。この3つが定まることで、ページ構成やナビゲーション、コンテンツ配置の判断基準が生まれます。デザインやUIはこの決定を前提に作られるため、ここが曖昧だと後工程すべてが不安定になります。
- サイト全体の構造(階層・カテゴリ・導線)
- 情報の分類方法(サービス別・課題別・対象別など)
- 情報の優先順位(上に置くべき情報は何か)
- ページごとの役割定義(何を伝えるページか)
- 導線の接続関係(どこからどこへ誘導するか)
例えばBtoBサイトの場合、「サービス紹介」「導入事例」「料金」「導入までの流れ」「よくある質問」などの情報は一般的ですが、どの順序で見せるかは企業ごとに異なります。価格重視の市場と、信頼重視の市場では、優先順位は変わります。情報設計は、この判断を言語化する工程です。
情報設計は「ページ構成」を決める作業でもある
情報設計はサイトマップだけでなく、各ページの中身の構成にも関わります。特にトップページやサービスページでは、何を上に置き、どの順序で説明するかが重要です。これは見た目の問題ではなく、理解の順序の問題です。情報設計が曖昧なままデザインを進めると、後から「この情報を上に」「この説明を追加」と修正が発生しやすくなります。
- トップページで何から説明するか
- サービスページの説明順序
- 強みの見せ方と配置
- 事例の配置位置
- 問い合わせ導線の配置
例えば、いきなり機能説明から始まるサイトと、課題提示から始まるサイトでは理解度が変わります。どちらが適切かはターゲットによって異なります。情報設計は、この説明順序を決定する役割を持ちます。
情報設計は「ナビゲーション」を決める作業でもある
グローバルナビゲーションやパンくず、フッターメニューなども情報設計の範囲です。ユーザーがどこから情報を探すかを想定し、最適な入口を設計します。分類が不適切だと、ユーザーは目的の情報を見つけられません。特にBtoBサイトでは、ユーザーの探し方が複数存在するため注意が必要です。
- サービス別で探すユーザー
- 課題別で探すユーザー
- 業界別で探すユーザー
- 機能別で探すユーザー
- 事例から探すユーザー
どの入口を採用するかは情報設計で決定します。すべてを並べるとナビゲーションが複雑になります。重要なのは、主要な探し方を定義し、それに合わせて構造を整理することです。
まとめ(実務アクション)
情報設計とは、サイトに載せる情報を整理する作業ではなく、「ユーザーが理解し行動するまでの情報の流れ」を決める作業です。具体的には、サイト構造、情報分類、優先順位、ページ構成、ナビゲーション、導線接続を定義します。まずは既存サイトの情報を洗い出し、誰に向けた情報か、どの段階の情報かを分類してください。そのうえで、ユーザーが理解しやすい順序に並び替え、不要な重複を削除します。この工程を経て初めて、ワイヤーフレームやデザインが意味を持ちます。情報設計は見た目の前工程ではなく、成果を決める設計工程です。