“ページが多すぎる会社”の整理術:統廃合の進め方と合意形成
2026年 2月11日
「気づいたらページ数が数百、数千になっている」「誰も全体像を把握していない」「消したいが、怖くて消せない」。多くの企業サイトが直面するこの状態は、運用の問題ではなく設計不在の積み重ねです。本稿では、“ページが多すぎる会社”が陥る構造的な問題を整理し、実務で使える統廃合の進め方と、揉めずに進めるための合意形成の設計を解説します。
ページが増え続ける構造的な原因
ページ数が増えること自体が問題なのではありません。制御できていないことが問題です。
- 追加は判断され、削除は判断されない
新規ページは要望ベースで作られる一方、不要になったページを消す判断プロセスが存在しません。 - ページの役割が定義されていない
概要・詳細・比較・補足などの役割が曖昧なまま量産され、似たページが増殖します。 - 部署・担当者ごとに最適化されている
各部門にとっては合理的でも、サイト全体では冗長・重複が発生します。 - SEOや施策単位でページを作ってきた
キーワードやキャンペーン起点で作られたページが、そのまま残り続けます。
統廃合の前にやるべき前提整理
いきなり「消す・まとめる」に入ると、必ず揉めます。先に共通ルールを作ることが重要です。
- ページの役割を分類する
全ページを「概要」「詳細」「比較」「手続き」「補足」などの役割で分類します。 - 存在理由を言語化する
そのページは「誰の」「どの判断」を支えるために存在するのかを明確にします。 - 評価軸を先に決める
PVや順位だけでなく、判断支援・誤解防止・問い合わせ削減などの観点を含めます。
実務で使える統廃合の進め方
感覚ではなく、構造で進めることがポイントです。
- ① 棚卸しと可視化
URL、タイトル、役割、対象ユーザー、更新日を一覧化し、全体を俯瞰できる状態を作ります。 - ② 重複・近接ページの発見
同じ判断を支えているページ、内容が被っているページをグルーピングします。 - ③ 統合・集約の判断
情報の粒度を揃え、1ページにまとめた方が判断しやすいものは統合します。 - ④ 役割不明ページの整理
役割が説明できないページは、削除・統合・アーカイブ候補にします。 - ⑤ 構造の再設計
統廃合後の構造を先に定義し、その中にページを配置し直します。
「消す」で揉めないための合意形成設計
統廃合が進まない最大の理由は、心理的な抵抗です。
- ページ=成果物という誤解
作った人にとってページは努力の証であり、削除は否定と受け取られがちです。 - 削除基準が不透明
なぜそのページが対象なのか説明できないと、感情論になります。
これを防ぐためには、以下が有効です。
- ページ単体ではなく「役割単位」で議論する
- 削除ではなく「統合・集約」という表現を使う
- 判断軸を事前に合意してから個別ページを見る
- 一気にやらず、フェーズを区切って進める
統廃合後にやるべきこと
整理して終わりでは、すぐに元に戻ります。
- 新規ページ作成ルールの策定
どんな条件なら新規ページを作るのか、既存ページで対応できないかを判断するルールを作ります。 - 定期的な棚卸しの仕組み化
半期・年次などで見直すタイミングをあらかじめ決めます。 - 構造を前提にした運用教育
担当者が「構造を壊さない」意識を持てるようにします。
まとめ(実務アクション)
“ページが多すぎる状態”を解消するために、以下を実践してください。
- ページ数ではなく、役割と判断価値で整理する
- 統廃合の前に評価軸とルールを合意する
- 重複・近接ページを構造的に統合する
- 削除ではなく「より分かりやすくする」文脈で進める
- 整理後の運用ルールまで設計する