カテゴリ名が決められない病:迷ったときの命名ルールと判断軸
2026年 2月 7日
情報設計やサイトリニューアルの現場で、必ずと言っていいほど発生するのが「カテゴリ名が決められない問題」です。議論は長引き、案だけが増え、最終的に無難で曖昧な名前に落ち着く。この状態は個人のセンス不足ではなく、判断軸が設計されていないことが原因です。本稿では、カテゴリ名で迷わなくなるための命名ルールと、実務で使える判断軸を整理します。
カテゴリ名が決まらなくなる典型パターン
まず、現場でよく見られる「決まらない状態」の正体を整理します。
- 意味の近い案が大量に出る
「サービス紹介」「機能紹介」「ソリューション」「できること」など、どれも間違っていないため決め手がなくなります。 - 抽象度が揃っていない
具体的なカテゴリと概念的なカテゴリが混在し、比較できない状態になります。 - 社内視点とユーザー視点が混ざる
事業側の言葉とユーザーが使う言葉が同じ土俵で議論され、判断基準がブレます。 - 名前で役割を解決しようとする
本来は構造で解決すべき問題を、命名だけで何とかしようとすると迷走します。
カテゴリ名の役割を先に定義する
命名に入る前に、そのカテゴリが何を担うのかを明確にする必要があります。名前は役割の結果であり、出発点ではありません。
- ユーザーのどの行動フェーズ向けか
情報収集、比較検討、意思決定のどこで使われるカテゴリかを定義します。 - 何を理解させるための入口か
概要理解なのか、詳細把握なのかで適切な言葉は変わります。 - 他カテゴリとの関係性
並列なのか、包含関係なのかを整理しないと命名は決まりません。
迷ったときに使える命名ルール
実務で再現性高く使えるルールを紹介します。
- ユーザーの頭の中にある言葉を優先する
社内用語や業界用語ではなく、ユーザーが「探すときに使う言葉」を基準にします。 - 動詞を省き、名詞で揃える
「◯◯する」「◯◯について知る」ではなく、カテゴリは名詞で統一します。 - 他カテゴリと並べて違いが一瞬で分かるか
単体で正しくても、並べたときに違いが伝わらない名前は不適切です。 - 説明文なしで8割理解できるか
補足説明がないと意味が伝わらないカテゴリ名は避けます。
判断に迷ったときのチェック質問
複数案で迷った場合は、次の質問でふるいにかけます。
- 初見のユーザーは、この言葉から何を期待するか
- クリック前後で「思っていたのと違う」が起きないか
- 3年後も同じ意味で使えそうか
- 他のカテゴリ名と抽象度は揃っているか
やってはいけない命名パターン
現場でよく採用されがちですが、後悔しやすいパターンです。
- カタカナ抽象語で逃げる
「ソリューション」「プラットフォーム」などは意味が広すぎ、判断を助けません。 - 事業都合の言葉をそのまま使う
組織構造や部署名由来のカテゴリは、ユーザーにとって無意味です。 - 流行語・造語に寄せる
一時的には新しく見えても、理解コストが高くなります。
まとめ(実務アクション)
カテゴリ名で迷わないために、以下を実践してください。
- 命名の前にカテゴリの役割と利用フェーズを定義する
- ユーザーが探す言葉を最優先にする
- 名詞・抽象度・粒度を揃える
- 並べたときの分かりやすさで判断する
- 名前で解決せず、構造で解決する