課題が複雑なBtoBほど効く「意思決定ジャーニー」設計入門
2026年 2月 3日
BtoBでは顧客の意思決定が長期化し複数の担当者や部署が関与するため、単純な導線設計やコンバージョン最適化だけでは成果が出ません。複雑な意思決定プロセス全体を可視化し、当事者の行動と心理を設計する「意思決定ジャーニー」は、施策の一貫性と成果につながる本質的なフレームワークです。本稿では、BtoBならではの意思決定ジャーニー設計の基本と実務で使える進め方を解説します。
BtoBで意思決定ジャーニーが必要な理由
BtoBの購買行動は、BtoCと比べて以下のように複雑さが増します。
- 検討・合意までの期間が長い
BtoBでは製品・サービスの導入に至るまで平均期間が長く、検討から契約、導入後の関係構築まで一連のプロセスが続きます。この一連の体験を設計する必要があります。 - 関係者が多様である
担当者、意思決定者、実際の利用者など複数のステークホルダーが存在し、それぞれの期待・課題・心理が異なります。これらを整理し設計することが重要です。 - 意思決定プロセスが階層的・段階的
情報収集→評価→提案→検討→合意という段階が存在し、1つの接点だけでなく全体の流れを理解することが求められます。
意思決定ジャーニーとは何か
意思決定ジャーニーは、顧客の組織内での意思決定を主軸にしたプロセスの可視化です。従来のカスタマージャーニーが個人の行動に着目する一方、BtoBの意思決定ジャーニーは「組織の意思決定がどのように進むか」を設計します。
- 行動・心理の流れ
顧客がどんな情報を求め、どのような不安や要求を抱えながら意思決定に至るかを段階ごとに整理します。 - ステークホルダーごとの視点
各担当者の関心や評価基準を明確にし、それを意思決定プロセス全体に組み込みます。 - タッチポイントと情報提供設計
顧客が触れる情報やコンテンツ、接点ごとに何を伝えるべきかを構築します。
意思決定ジャーニー設計の基本ステップ
実際にBtoBの意思決定ジャーニーを設計する場合、次のようなステップで進めると現場で使える成果につながります。
- 1. 顧客プロセスとステークホルダーを定義する
調査やインタビューを通じ、検討開始から契約・導入までの段階を洗い出します。同時に関与するステークホルダーを明確にします。 - 2. 行動・心理・課題をマッピングする
各段階で顧客が何を考え、どのような判断基準で動いているのかを整理します。これにより、適切な情報提供タイミングが見えてきます。 - 3. タッチポイントとコンテンツを設計する
顧客が接触するポイントに対して、必要なメッセージや資料、体験を設計します。これにより、顧客や組織の意思決定を支援する仕組みができます。 - 4. 進捗指標と判断基準を設定する
各段階で判断が進んだかを測る指標(情報閲覧、問い合わせ、評価スコアなど)を定め、プロセス全体を可視化します。
現場で意思決定ジャーニーを活用するコツ
設計したジャーニーを現場で活かすには、共通認識と組織横断で運用する仕組みが必要です。
- 共通フレームをチームで共有する
全社的にカスタマージャーニーと意思決定ジャーニーの定義を共有し、マーケティング・営業・CSで同じ言語で議論できるようにします。 - リアルタイムで更新する
顧客との接点が変われば意思決定ジャーニーも変化します。定期的に更新し、常に現実に即したものに保ちます。 - 成果につながる改善サイクルを回す
指標や顧客行動データをもとに改善を繰り返すことで、意思決定ジャーニーはより成果を生む設計になります。
まとめ(実務アクション)
複雑なBtoBの意思決定プロセスを設計することで、施策間の一貫性が高まり、成果につながる体験設計ができます。まずは以下のアクションを実践してください。
- ステークホルダーごとに検討プロセスを定義する
- 行動・心理・課題を段階的にマッピングする
- タッチポイントに対応した情報設計を行う
- 進捗指標を設定して可視化する
- チームで共通フレームとして共有・更新する