サービス内容が多い会社こそ必要な「目的別ナビゲーション」設計法

2026年 1月24日

サービスラインナップが多いBtoBサイトでは、ユーザーが何を探しているか分からず離脱してしまう課題が頻発します。結論として、サービス内容が多いサイトほど「目的別ナビゲーション」を戦略的に設計し、ユーザーの意図(目的)ごとに動線を最適化することが成果につながります。本稿では、UX・SEO・コンバージョンの観点から目的別ナビゲーションの設計法を解説します。

目的別ナビゲーションとは何か

目的別ナビゲーションとは、ユーザーの意図や役割別に最適な経路を提示するナビゲーション設計です。単にサービス名やカテゴリを羅列するのではなく、ユーザーが「何をしたいか」で導線を再構築します。

  • ユーザーの目的(例:機能比較/価格確認/導入事例を探す)を起点にナビ構造を設計
  • 従来のグローバルナビゲーションだけでなく、目的別の入り口を複数用意する

一般的なナビゲーションは情報構造をベースにしますが、目的別ナビゲーションは行動ベースで設計する点が特徴です。

目的別ナビゲーションが必要な理由

サービス数が増えるほど、単純なカテゴリベースのナビゲーションではユーザーの行動を導けません。目的別ナビゲーションが必要な主な理由は次の通りです。

  • ユーザーの認知負荷を軽減し、求める情報へ最短で到達させるため
  • 離脱率の低減とコンバージョン率の向上につながるため
  • SEO評価の向上に寄与するため

特にトップページやサービス一覧ページでのカテゴリやリンクの羅列は、ユーザーに“どこから始めればよいか分からない”という状態を生みやすいです。目的別ナビゲーションにより「あなたは何をしたいですか?」という問いからユーザーを導くことで離脱を抑制できます。

目的別ナビゲーション設計の基本ステップ

目的別ナビゲーション設計を実務で実装するには、ユーザー理解と情報構造の整理が不可欠です。以下の手順で進めます。

  • 1.ユーザー目的の整理
    実データやインタビューで、ユーザーがサイトに来た意図を明確化します。営業問い合わせ、比較検討、価格確認など、目的を分類します。
  • 2.導線マッピング
    各ユーザー目的ごとに、最適な導線(どのページから開始し、どのページへ遷移すべきか)を可視化します。
  • 3.ナビゲーションパターン設計
    ユーザーの目的に応じて、トップナビ・サイドナビ・パンくずなど複数のナビゲーションパターンを検討します。例として、特定目的に特化したクイックリンク、フィルタナビ、進行ベースのステップナビゲーションなどが考えられます。
  • 4.実装と検証
    ユーザビリティテストを実施し、各導線が目的達成に寄与するか検証します。必要に応じて改善を繰り返します。

目的別にナビゲーションを整理することで、サービスが多いサイトでもユーザーは迷わずに必要な情報へナビゲートされます。

代表的なナビゲーションパターンと活用例

目的別ナビゲーションで検討すべき代表的なパターンを解説します。

  • パンくずナビゲーション
    ユーザーが現在どこにいるかを明確にするための視覚的手がかりとして有効です。特に深い階層構造では位置把握が重要になります。
  • 目的別クイックリンク
    「価格を比較したい」「資料をダウンロードしたい」など、主要なユーザー目的を明示的に並べることで、即座に目的カテゴリへ誘導します。
  • コンテキストナビゲーション
    現在見ているコンテンツに関連したナビゲーションを提示することで、ユーザーの次の行動を予測して誘導します。

このように複数のナビゲーションパターンを併用し、ユーザー行動を目的中心に導くことが成果につながります。

導入時のよくある課題と対処法

目的別ナビゲーションを導入する際、以下のような課題が発生します。

  • 目的の網羅性が不十分
    ユーザー目的を網羅せず、結果的に一部のユーザーが導線から外れてしまうケースです。データ分析とユーザーインタビューを繰り返してボトムアップで設計を進める必要があります。
  • 情報量の過多
    目的別リンクを増やしすぎると、かえってユーザーを迷わせることになります。優先目的を絞り、階層的に整理します。
  • 実装工数の増加
    複数目的の導線設計は、単純なカテゴリナビよりも工数がかかります。まずは主要目的に絞った最小実行可能な設計でローンチし、改善を繰り返すことが推奨されます。

まとめ(実務アクション)

サービス内容が多いサイトほど、単一のカテゴリナビゲーションではユーザー導線に限界があります。目的別ナビゲーションの設計は、ユーザーの意図に基づいた導線最適化を実現し、離脱率低減とコンバージョン向上に直結します。実務ではユーザー目的の整理、導線マッピング、複数ナビゲーションパターンの組み合わせ、そして定量的な検証を重ねることが重要です。これらを実践することで、UXの質と成果が共に向上します。

参考リンク

コラム一覧