ナビゲーションが増え続けるサイトのための“情報棚卸し”メソッド
2026年 1月23日
サイトが成長するにつれてナビゲーションが増え、ユーザーが迷いやすくなる──これは多くの企業サイトが直面する課題です。結論として、ナビゲーション増加を放置するとUX低下と機会損失を招きます。本記事では、ナビゲーションを適切に整理し、UXとビジネス成果につなげるための「情報棚卸し」メソッドを実務視点で解説します。
情報棚卸しとは/位置づけと目的
情報棚卸しとは、サイト内のコンテンツとナビゲーション要素を体系的にリストアップし、構造と価値を可視化するプロセスです。これは情報設計(IA)の中核に位置づけられ、ナビゲーション設計やコンテンツ戦略の前提条件となります。
- 情報棚卸しは「サイトに何が存在しているか」を漏れなく把握する工程であり、重複情報や役割不明のページを洗い出すことができます。
- ナビゲーションは情報構造の結果として設計されるべきものであり、棚卸しを行わずに追加を続けると、構造破綻が起きやすくなります。
- 情報棚卸しはIA改善だけでなく、SEO、CMS設計、運用ルール策定の土台として機能します。
ステップ1:情報インベントリの作成
最初に行うべきは、サイト内に存在するすべての情報資産を一覧化することです。これを情報インベントリと呼びます。
- 全ページのURL、ページタイトル、コンテンツ種別、最終更新日などを一覧にします。
- グローバルナビ、ローカルナビ、フッター、パンくずなど、すべてのナビゲーション要素も同時に洗い出します。
- 「どのナビから、どのページへ到達できるか」を可視化することで、導線の重複や迷路化を把握できます。
ステップ2:コンテンツの役割整理と評価
インベントリ化した情報を、そのまま並べるだけでは意味がありません。各コンテンツの役割と価値を評価します。
- そのページは「誰の」「どのフェーズの課題」を解決するものかを明確にします。
- アクセス数や直帰率などの定量データに加え、内容の重複や陳腐化といった定性観点で評価します。
- 評価結果をもとに、維持・統合・削除・再設計の判断を行います。
ステップ3:ナビゲーション構造への反映
棚卸しと評価の結果をもとに、ナビゲーション構造を再設計します。ここで重要なのは「増やす」のではなく「整理する」視点です。
- ユーザー視点で意味の近い情報をまとめ、カテゴリ数を抑えます。
- ナビゲーションはコンテンツの一覧ではなく、行動を促す導線として設計します。
- 深すぎる階層や例外的なリンク配置は極力排除します。
ステップ4:運用ルールへの落とし込み
情報棚卸しは一度きりではなく、継続的に回す仕組みが必要です。
- 新規ページ追加時には、既存構造との整合性チェックを必須にします。
- ナビゲーション追加の判断基準を文書化し、属人化を防ぎます。
- 定期的に棚卸しを実施するスケジュールを運用に組み込みます。
まとめ(実務アクション)
ナビゲーションが増え続ける原因の多くは「情報構造を確認せずに追加し続けること」にあります。以下を実務アクションとして実行してください。
- 全コンテンツとナビゲーションを一度すべて棚卸しする。
- 各情報の役割と必要性を明確に評価する。
- 情報構造を先に定義し、ナビゲーションはその結果として設計する。
- 棚卸しと構造確認を前提とした運用ルールを組織に定着させる。