競合より記事を早く・質高く作るための「調査テンプレート」公開
2026年 1月15日
BtoBのコラム運用で勝ち筋を作るには、文章力よりも調査設計が重要です。結論として、調査プロセスをテンプレ化し、集める情報と判断基準を固定すれば、制作スピードと品質は同時に上がります。理由は単純で、記事制作の遅延と品質低下の原因の多くが、調査の迷子化と根拠不足にあるためです。
RARE TEKT(レアテクト)代表・上野の現場では、調査テンプレートを共通言語として運用し、上位ページの構造把握、一次情報の裏取り、差別化の設計を一直線につなげます。この記事では、そのテンプレートをそのまま使える形で公開します。
記事制作が遅い原因は「調査のやり方」が毎回変わること
記事が遅くなる典型は、調査が探索になり、途中で論点が増殖する状態です。書く前に方向性が決まっていないため、途中で構成が崩れ、差し戻しと追い調査が増えます。結果として、時間がかかるのに上位に届かない、という最悪の組み合わせになります。
- 検索結果が求める最低ラインを把握しないまま書き始める
- 定義や評価基準の根拠が弱く、説得力が落ちる
- 競合と同じ論点で同じ粒度になり、差別化が消える
調査テンプレートは、このブレを止めるための装置です。調査の順序と判断基準を固定し、構成を先に確定させ、執筆を穴埋めに変えます。結果として、早いのに強い記事が再現できます。
競合より強い記事に必要な3要素
テンプレートの中核は3つです。検索結果の現実、一次情報、差別化設計です。どれかが欠けると、順位かCVのどちらかが落ちます。
- 検索結果の現実を押さえる:上位ページの共通構造と、満たしている検索意図を先に確定する
- 一次情報で根拠を固める:定義や評価基準を一次情報で裏取りし、断定の品質を上げる
- 差別化を設計する:競合が提供できない価値を、テンプレートや手順として持ち帰れる形で提示する
特にBtoBは、読者が社内説明や稟議で使える材料を求めます。正しさと再現性を担保できる記事が、結果として成果にもつながります。
調査テンプレート全体像
以下が、RARE TEKT(レアテクト)で実務に使う調査テンプレートです。ポイントは、検索結果の把握から一次情報の裏取り、差別化の設計、アウトライン確定までを一枚で完結させることです。
調査テンプレート本体
記事ごとに下記を埋めます。最初から完璧に埋める必要はありませんが、空欄があるまま執筆に入らない運用にすると、速度と品質が安定します。
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前提情報
- 狙う検索クエリと関連クエリ
- 想定読者の役割と状況:BtoB担当者、マーケ責任者、制作責任者など
- 記事の到達点:問い合わせ、資料請求、比較検討の前進、社内合意の形成など
- 自社の強み材料:支援実績、手法、監査観点、改善プロセス、テンプレート提供可否
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検索意図の確定メモ
- 読者が今知りたいこと:定義、判断基準、具体手順、失敗例、チェックリスト
- 読者が次にやりたいこと:社内説明資料の作成、改善計画の作成、ベンダー比較
- 読者が避けたいこと:手戻り、炎上、法令違反、工数増、成果ゼロ
この欄が薄い記事は、読み終わっても行動が変わりません。BtoBの強い記事は、判断材料が揃っていて迷いが減ります。
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上位ページの構造スキャン
- 上位の共通構造:定義、メリット、手順、注意点、まとめ の流れが多いか
- 必ず触れている論点:評価軸、比較軸、手順の粒度、対象者の明確さ
- 不足しがちな論点:運用の落とし穴、社内合意の論点、測定方法、改善優先順位
目的は真似ではありません。検索結果が要求する最低ラインを外さないための把握です。最低ラインを踏まえない記事は、良いことを書いても届きません。
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一次情報の裏取りリスト
- 定義が必要な用語:公的機関、公式ガイドライン、専門組織の一次情報を参照する
- 評価基準がある領域:指標やチェック項目は一次情報を根拠に整理する
- 誤解されやすい領域:例外条件と前提を明示し、過度な断定を避ける
一次情報の役割は、信頼性の担保だけではありません。読者が社内に持ち帰り、説明に使える材料になります。BtoBで成果が出る記事は、この設計が強いです。
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競合比較マトリクス
- 評価項目を先に固定する:対象者の明確さ、手順の具体性、判断基準、失敗例、テンプレート提供、一次情報の有無
- 上位ページごとに、強い、弱い、なし で埋める
- 弱い、なし の項目を差別化の候補として抽出する
差別化は、尖った主張ではなく、競合が提供できていない判断材料を補うことで作るのが安全です。
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差別化の設計メモ
- 上位にない提供価値を1つ決める:調査テンプレート、チェックリスト、意思決定フロー、社内説明用の要点整理
- 現場の具体を入れる:よくある失敗、意思決定が止まる原因、合意形成で揉める論点
- 次アクションを規定する:誰が何を用意し、どの順で進めるかを明記する
BtoBでは、読者のリスクを下げる情報が強いです。実務で使えるテンプレートは、最も再現性の高い差別化になります。
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アウトライン確定
- 導入:悩みを特定し、結論を先に出す
- 中盤:定義と判断基準を早い段階で提示する
- 後半:手順を、担当者の動きまで落として提示する
- まとめ:チェックリスト形式で、実務アクションに落とす
アウトラインが固まれば、執筆は穴埋めになります。この状態を作ることが、時短の本丸です。
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出稿前の品質チェック
- 対象者が明確か:BtoB担当者が自分ごと化できるか
- 判断基準があるか:読む前より迷いが減るか
- 一次情報があるか:根拠が示せているか
- 差別化があるか:持ち帰れる手順やテンプレートがあるか
- 実務性があるか:明日から使える形に落ちているか
品質は文章力ではなく、判断材料の揃い方で決まります。テンプレートは、その品質を再現する仕組みです。
このテンプレートで制作が速くなる理由
制作が速いチームは、書く速度が速いのではなく、迷わない仕組みを持っています。検索意図と最低ラインを先に固定し、一次情報で根拠を固め、差別化を設計してから書くため、途中で構成が崩れません。差し戻しが減り、調査の追加が発生しにくくなります。
- 検索結果の要求とズレないため、構成修正が減る
- 一次情報で断定の品質が上がり、説得力が増す
- 差別化が設計済みのため、競合と同じ記事にならない
BtoBのコンテンツは、読者が納得し、社内で説明できる材料が揃っているほど強くなります。調査テンプレートは、その強さを最短で作るための工程表です。
まとめ(実務アクション)
競合より早く、質高く記事を出すには、調査をテンプレ化して迷いを消すことが最短です。最後に、すぐ実行できるアクションに落とします。
- 新規記事は、調査テンプレートの空欄を埋めてから執筆を開始する
- 上位ページの共通構造を把握し、最低ラインを外さない構成にする
- 定義と評価基準は一次情報で裏取りし、根拠を明示できる状態にする
- 競合比較マトリクスで弱点領域を見つけ、テンプレート提供で差別化する
- 出稿前チェックを必ず通し、対象者、判断基準、一次情報、差別化、実務性を満たす
RARE TEKT(レアテクト)では、SEOとUXを分けずに、意思決定を前に進めるコンテンツ設計と運用改善を支援しています。調査テンプレートの自社最適化、競合調査設計、コラム運用の仕組み化まで、実務で回る形に落とし込みます。
参考リンク
- Nielsen Norman Group: Content Strategy 101
- Nielsen Norman Group: Competitive Usability Evaluations Definition
- Google Search Central Blog: Search Quality Rater Guidelines update
- Google: Search Quality Rater Guidelines An Overview
- Google: Search Quality Evaluator Guidelines
- Ahrefs: How to Do a Content Gap Analysis With Template
- Ahrefs SEO Glossary: Content Gap Analysis