UIテキストが“長すぎる/短すぎる”と離脱率が変わる?最適な情報量の見つけ方
2025年12月19日
UIテキストは、短ければ読みやすいというものではなく、長ければ丁寧というわけでもない。ユーザーの状況に対して情報が不足していても過剰であっても、理解の流れが途切れたり判断の負荷が高まったりすることで離脱につながることがある。最適な情報量は固定値ではなく、状況やコンテキストによって変わる前提で捉える必要がある。
短すぎるテキストが引き起こす“判断の保留”
短いテキストは読みやすいが、情報が不足していると「これは何を意味するのか」「どの選択肢を選ぶべきか」が判断できず、読み手が行動を保留したり離脱することがある。特に比較が必要なUIや専門性の高いサービスでは、短文は理解の助けにはならないこともある。
- 文脈が不足し、内容を誤解しやすい
- 選択肢の違いが判断できない
- 自分の状況と関連付けられない
このように、短さは理解を助けることもあるが、役割に応じた情報量が確保されていない場合は伝わらなくなる。
長すぎるテキストが生む“注意の分散”
丁寧に説明しようとするとテキストが長くなりがちだが、長文は視線誘導が複数方向に発生し、重要な情報が埋もれてしまうことがある。文章が長すぎる場合、読み手が主題に到達する前に負荷を感じ、離脱や読み飛ばしにつながる可能性が高い。
- 重要なポイントが埋もれる
- 視線の移動が増え、主題に集中しづらくなる
- 読む前に負荷を感じやすい
長文自体が悪いのではなく、その文章が「どの位置に配置され、どの役割を担っているか」で効果が決まる。
情報量の最適化は“テキストの役割を一つに絞る”ことから始まる
UIテキストを改善する際は、文章量そのものよりも「そのテキストが担う役割」を明確にするほうが結果が出やすい。役割が曖昧なテキストは、長くても短くても意図が伝わりにくい。
役割の例としては次のようなものがある。
- 状態を説明する(例:処理状況、エラー理由)
- 選択を支援する(例:比較基準や特徴の提示)
- 行動の結果を明確にする(例:ボタン遷移先の明示)
- 安心材料を補う(例:キャンセル可否、条件説明)
役割が一つに絞られていれば、必要な情報量も自然と決まり、過不足の少ないUIテキストに近づく。
最適な情報量は“読み手の状態”によって変わる
ユーザーは同じページでも、背景知識・目的・理解度が異なる。そのためテキストの長さは固定の正解がなく、複数のユーザー像を前提にした柔軟な構造が求められる。
- 重要情報は短く提示し、詳細は別領域で補う
- 行動の結果は短文で明示し、補足は必要な人だけが読む形にする
- 迷いやすい場所には短い補足文を一つだけ添える
このように、段階的に情報を提示する構造は、読み手の状態が揺らいでも理解をサポートできる。
改善の際に役立つ観察ポイント
UIテキストの長さに問題があるかどうかは、行動ログやテストで観察すると発見しやすい。
- 特定のUIに滞留や往復が多い(理解負荷が高い可能性)
- 選択肢の偏りが極端に少ない(文言の意図が伝わっていない可能性)
- ボタンのクリック率が低い(行動の結果が明確でない可能性)
文章の長さそのものではなく、行動がどう変化しているかを基準に判断するほうが確実である。
まとめ
UIテキストの長さは、短ければよい・長ければ丁寧という単純な判断では捉えられない。重要なのは、テキストが担う役割が明確であることと、その役割に必要な情報が過不足なく配置されていることである。ユーザーの状態が揺らいでも理解しやすいよう、情報量を段階的に調整できるUI構造が望ましい。