GA4で「ボタン別CV数」を計測する正しい方法
2025年11月 6日
「申し込みボタンをクリックしているのに、GA4で数字が分からない」 「複数のボタンを置いたとき、どれが成果につながっているか知りたい」 そんな課題を感じる担当者は多いでしょう。 本記事では、GA4でボタンごとのコンバージョン(CV)数を正しく計測する方法を解説します。
1. 前提:GA4では「クリック=自動でCV」ではない
まず押さえておきたいのは、GA4はクリックを自動で「コンバージョン」とはみなしません。 クリックイベントは自動収集されるものの、 特定のボタンを成果指標として扱うには、イベント設定とラベル設計が必要です。
- 自動収集イベント(例:click)は「リンククリック」しか対象ではない
- 同一ページ内のボタンは、明示的にイベント名を付与しないと識別できない
- クリック=コンバージョンにするには、「コンバージョン登録」が必須
2. ボタン別CV数を取得する基本ステップ
- タグ設定(Google タグマネージャーを推奨)
計測したいボタンにクリックトリガーを設定し、イベント名を指定します。
例:イベント名: button_click パラメータ: { button_id: "cv_entry", button_text: "無料で試す" } - イベント確認
GA4の「レポート > イベント」でbutton_clickが記録されているか確認します。 反映まで最大 24 時間かかる場合があります。 - コンバージョン登録
「管理 > コンバージョン」で、イベント名button_clickを追加します。 これで、以降のクリックはコンバージョンとして扱われます。
3. 複数ボタンを区別するためのラベル設計
ページに複数のボタンがある場合、同じイベント名でも パラメータで区別することが重要です。
button_id:HTMLのID属性を利用(例:cv_main、cv_footer)button_text:ボタンに表示されているテキストbutton_location:ページ位置(例:hero、footer、popup)
このように命名を統一しておくと、探索レポートで「どの場所のボタンが成果につながったか」を分析できます。
4. デバッグビューで動作確認する
イベント設定後は、GA4管理画面の「表示 > デバッグビュー」でリアルタイム確認を行います。 正常にイベントが送信されていれば、イベント名とパラメータが即時に表示されます。
表示されない場合は、以下を確認してください。
- トリガー条件が一致しているか(リンククリック or 全要素)
- 変数の取得設定(button_id など)が有効か
- タグが公開済みか(プレビュー中のままでは反映されない)
5. ボタン別CV数をレポートで確認する
コンバージョン設定後、データが蓄積されたら「探索レポート」で集計できます。
- 「探索 > 自由形式」を開く
- ディメンションに「イベント名」「button_id」「button_text」を追加
- 指標に「イベント数」「コンバージョン数」を設定
- button_id ごとのクリック数・CV数を比較する
これにより、「どのボタンが最も成果を出しているか」を数値で把握できます。
6. 注意点:自動収集イベントとの混在を避ける
自動で収集される click イベントと、手動で作成した button_click イベントが混在すると、 データが重複したり、誤ってコンバージョン登録されるリスクがあります。 特に「拡張計測機能」をONにしている場合は注意してください。
推奨設定は以下のとおりです。
- 拡張計測機能は有効のままでも可
- ただし、独自イベントを設定する場合はイベント名を区別する
- 同じボタンを重複計測しないよう、タグマネージャー側で制御
まとめ:イベント名とパラメータの整合性がカギ
GA4でボタン別CV数を正確に測るには、 イベント名の一貫性とパラメータ設計が欠かせません。 以下の3点を押さえておきましょう。
- イベント名は「button_click」など統一して管理
- パラメータでボタン位置や文言を区別
- コンバージョン登録を忘れずに実施
これらを行えば、複数のボタンを設置しても、どの導線が最も成果に寄与しているかを明確に把握できます。