GA4で外部予約システムを含む遷移を追跡する設定方法

2025年10月25日

サイト内で「予約」「購入」などを外部システムに委託している場合、 予約完了ページが自社ドメイン外にあることで、GA4の計測が途切れてしまうケースがあります。 本記事では、外部予約システムを含む遷移を正しく追跡するGA4設定を、 最新UI(日本語版)に基づいて解説します。

なぜ外部サイトで計測が切れるのか

GA4では、ユーザーを識別するCookie(_gaなど)がドメイン単位で発行されます。 そのため、自社ドメイン → 外部ドメイン(予約サイト) → 自社ドメイン の流れでは、 Cookieが別扱いとなり、新しいセッションとして認識されます。 これにより、「参照元が自サイトになってしまう」「CV数が分断される」などの問題が発生します。

対応手順:クロスドメイン計測の設定

  1. 管理 > データ ストリーム を開き、対象のウェブデータストリームを選択します。
  2. 下部の「タグ設定を行う」内にある タグ設定を表示 > さらに設定 > クロスドメインの設定 を開きます。
  3. 「リンク先ドメイン」に外部予約システムのドメインを追加します。 (例:booking.example.jp
  4. Google タグ マネージャー(GTM)を利用している場合は、同様の設定を以下で行います:
    • 「Google タグ」タグを編集
    • 「設定フィールド」に linker:autoLink を追加し、予約ドメインを指定
    • 複数ある場合はカンマ区切りで入力(例:example.com, booking.example.jp

これにより、GA4は自社と外部予約サイトを同一セッションとして扱い、ユーザー行動を一続きで計測できます。

外部サイト側の要件

クロスドメイン計測を正しく動作させるには、外部サイト側にも次の条件が必要です。

  • 外部予約ページにもGA4タグ(またはGTM経由のGoogleタグ)が設置されていること。
  • 同じ測定ID(G-XXXXXXXX)または同一プロパティのストリームが使用されていること。
  • Cookieブロックやiframe埋込ではなく、通常のリダイレクトで遷移していること。

外部ベンダーのシステムにタグを追加できない場合は、リダイレクト経由ページを挟む方法もあります。 例: https://example.com/redirect-to-booking このページでイベントを送信してから予約サイトへリダイレクトさせます。

データ確認のポイント

  1. テスト環境で自社サイトから予約システムへ遷移し、管理 > データの表示 > DebugViewでイベントが連続して表示されるか確認。
  2. 予約完了ページ(外部ドメイン)で page_viewpurchase イベントが記録されているか確認。
  3. 「参照元/メディア」に「(direct)」や「self-referral(自己参照)」が出ていないかチェック。

「自己参照」が出ている場合は、タグ実装ミス・linker設定漏れ・別プロパティ利用のいずれかが原因です。

トラブルシューティング

  • イベントがDebugViewで途切れる: 予約サイトにタグが未設置、またはlinker設定が反映されていない。
  • セッションが分割される: Cookieが別ドメインで新規発行されている可能性。autoLink設定を再確認。
  • 参照元が自社ドメインになる: 「自己参照除外リスト」に自社ドメインを登録。
  • 予約サイトにタグを置けない: リダイレクト計測 or 外部イベント連携(Measurement Protocol)を検討。

まとめ

外部予約システムを含むユーザー遷移を正しく追跡するには、クロスドメイン設定+同一測定ID+自己参照除外がポイントです。 特に予約サイトが別ドメインの場合、linker設定を忘れるとCVRが大きくずれます。 DebugViewとリアルタイムレポートを使い、遷移経路が正しくつながっているかを常に確認しましょう。

参考(Google公式ヘルプ)

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