GA4で「イベントが見えない」原因を整理する実践ガイド
2025年10月22日
Google アナリティクス 4(GA4)で「イベントを送信したのに、レポートに表示されない」「DebugViewに出ない」といったトラブルは少なくありません。 この記事では、現行日本語UIとGoogle公式ヘルプに基づき、実務者が現場で確認すべきチェックポイントを体系的に整理します。
まずは「本当に届いていない」のかを確認
イベントが見えないときは、まず「収集されていない」のか「収集はされているが反映されていない」のかを切り分けます。 以下の2ステップを確認しましょう。
- レポート > リアルタイムの概要 直近のイベントがカウントされているか確認します。表示されれば、計測自体は行われています。
- 管理 > データの表示 > DebugView 検証端末で発火させたイベント(例:
page_viewやbutton_click)が届いているかを確認します。
どちらにも表示されない場合は、タグ未発火・データフィルタ・同意モード・送信先誤りなどの技術的要因を疑います。
原因別チェックリスト
1. タグ実装と発火条件
- 全ページに
gtag.jsまたは Google タグマネージャー(GTM)が正しく設置されているか。 - 測定ID(G-XXXXXXXX)とGA4のデータストリームが一致しているか。
- GTMの場合、コンテナが公開済みで、トリガー条件(例:All Pages)が正しいか。
- ブラウザの開発者ツール(Networkタブ)で
collectリクエストが送信されているか確認。
2. データフィルタによる除外
- 管理 > データの収集と修正 > データフィルタで、内部・開発者トラフィックのフィルタが「有効」になっていないか確認。 テスト中は「テスト中(Testing)」に設定します。
- 検証端末のIPアドレスや
traffic_typeがフィルタ条件に該当していないかも確認します。
3. 同意モード(Consent Mode)の影響
- 同意管理を導入している場合、「基本モード(Basic)」では同意が得られるまでタグが発火しません。 イベントが送信されない場合、CMP設定や
analytics_storageの指定を確認します。 - 「拡張モード(Advanced)」を使用している場合、同意前でもクッキーレス信号を送信しますが、モデル化処理のため反映に時間差が生じます。
4. イベント名・パラメータ設定の誤り
- カスタムイベント名は英数字・アンダースコアのみで構成され、40文字以内に収まっているか。
- イベント名・パラメータ名の大文字小文字が正確に一致しているか。
- カスタムパラメータをレポートで利用する場合は、 管理 > データの表示 > カスタム定義でディメンション/指標として登録が必要です。
5. 送信先プロパティ・データストリームの誤り
- イベントが意図したプロパティ・データストリームに送信されているか。
- データストリームのURLが実際のサイトドメインと一致しているか。
6. レポート反映のタイミング
- イベント収集から標準レポートへの反映には24〜48時間かかることがあります。
- 少量データやモデル化適用中は、しきい値(thresholding)により非表示になる場合があります。
7. サイト側の技術的ブロック
- CDNやキャッシュが古いタグを配信していないか確認。
- CSP(コンテンツ セキュリティ ポリシー)で
https://www.google-analytics.com等が許可されているか。 - サブドメイン・IFrame・クロスドメイン遷移でイベントが途切れていないか。
- CMSプラグインや他タグとの競合がないか。
実務での確認ステップ(テンプレート)
- 「レポート > リアルタイムの概要」で対象イベントが発生しているか確認。
- 「管理 > データの表示 > DebugView」で検証端末からのイベント受信を確認。
- Chrome開発者ツール → Network →
collectを確認。送信されていなければタグ未発火。 - GTMプレビューモードでタグの発火・変数・公開状態を確認。
- データフィルタを「テスト中」に変更して検証。
- 同意モードの設定とCMP連携を確認。
- イベント名・パラメータのスペル・登録状態を確認。
- 反映まで時間をおいて再確認(24〜48時間)。
まとめ
- DebugViewとリアルタイムで「届いているか」を即確認。
- タグ発火条件、フィルタ、同意モード、送信先設定を順に検証。
- 反映までの時間差やしきい値も考慮し、焦らず確認する。
GA4のイベントは多くの設定要素に依存します。 このチェックリストをチーム内で共有し、問題発生時に即時対応できるフローを整備しましょう。