利用者テストを低コストで実施する方法:小規模チームでもできる!
2025年10月19日
「利用者テスト(ユーザビリティテスト)」と聞くと、専門施設や高額ツールが必要だと思われがちです。 しかし実際は、小規模チームでも工夫すれば十分に実施できます。 本記事では、コストを抑えながらも“実際の利用者の声”を得るための現実的な方法を紹介します。
1. 完璧を目指さないことが第一歩
利用者テストの目的は、「何が使いにくいかを発見する」ことです。 すべてのユーザー層をカバーする必要はありません。 まずは 3〜5名の代表的ユーザー を対象に、主要タスクだけを試してもらうだけで十分な学びがあります。
2. 無料・低価格のツールを活用する
- 録画・画面共有ツール: Zoom、Google Meet(録画機能付き)
- オンラインフォーム: Googleフォームで簡単な事前アンケート
- リモート観察: 参加者に画面共有してもらい、観察・ヒアリング
- メモ共有: Notionやスプレッドシートでリアルタイムに記録
特別な環境を用意しなくても、身近なツールで十分です。 「録画して振り返れる」「複数人でメモ共有できる」仕組みがあれば成立します。
3. テストシナリオは“業務体験ベース”で作る
難しいシナリオを作る必要はありません。 「商品を探して購入する」「問い合わせを送る」「資料をダウンロードする」など、 実際の利用シーンをそのまま再現するタスクにしましょう。 これにより、テスト結果がそのまま改善施策につながります。
4. 社内メンバーを活用する
予算が取れない場合は、まずは身近な人で試すのも有効です。 特に「プロジェクトに関わっていない社内メンバー」は、ユーザー視点に近い反応を示してくれます。 ただし、あくまで“仮の利用者”として捉え、最終的には外部の声を得る段階を設けると理想です。
5. 記録より“気づき”を残す
専門的なレポートは不要です。 「どこで止まったか」「なぜ迷ったか」「どう説明すれば伝わるか」などを短文メモに残すだけでOK。 あとは、その“気づき”をデザインやUIの改善タスクに直接落とし込みましょう。
6. 最小単位で回す仕組みにする
テストは1回で終わりにせず、リリース前やUI変更時などに小さく繰り返すのが理想です。 1回あたり1時間、月に1回でも実施すれば、改善スピードは大きく変わります。
まとめ
利用者テストは“特別なもの”ではなく、改善サイクルの一部として日常的に行うことが重要です。 小規模チームでも、3〜5人のテストで十分価値ある気づきを得られます。 完璧を目指すより、まず実施してみる。その積み重ねがUXを確実に底上げします。