ボタンは大きければ良い?UXが劇的に変わる適切なサイズと配置
2025年10月14日
WebサイトやアプリのUIでよくある誤解に「ボタンは大きいほど押しやすい」という考え方があります。 確かに小さすぎるボタンはタップミスを誘発しますが、大きすぎても画面を圧迫し、かえってユーザー体験を損ないます。 本記事では、UXを高めるためのボタンサイズと配置の考え方を解説します。
なぜ「大きければ良い」は誤解なのか
ボタンが極端に大きいと、以下の問題が発生します:
- コンテンツ領域を圧迫して、情報が見づらくなる
- 複数のボタンを並べにくくなり、導線設計が崩れる
- 強調の優先順位が曖昧になり、ユーザーがどこを選ぶべきか迷う
UXの観点では「適切なサイズと配置で、自然に押したい場所に配置されているか」が重要です。
適切なサイズの目安
国際的なガイドラインや各種OSの設計指針では、以下の数値が推奨されています:
- タップ領域は 最低でも44×44px(Apple Human Interface Guidelines)
- Google Material Design では 48×48dp を推奨
- 指先サイズを考慮すると、実質的に40〜50px程度が快適ゾーン
これより小さいと押しづらく、大きすぎると逆効果です。 特にスマホでは「誤タップを防ぐ余白」とセットで設計することが大切です。
配置でUXは大きく変わる
サイズと同じくらい重要なのが配置です。以下の点に注意しましょう:
- 親指の可動範囲を意識: 片手操作では画面下部や中央に近い位置が押しやすい
- アクションの優先度を反映: 主要アクションは画面下部や中央に固定、副次的なアクションは二次的に配置
- 一貫性: サイトやアプリ全体でボタンの位置・大きさを統一する
改善の実務的アプローチ
- 主要ボタン(例:購入、送信)は大きめ+目立つ色で配置
- 補助的なボタンは小さめ、もしくはリンク風にして階層を明確化
- 固定フッターボタンを導入し、スクロールが長いページでも迷わせない
- 実機テストで「片手操作」「左手・右手」両方を確認する
まとめ
ボタンは「大きければ良い」のではなく、ユーザーの操作環境に合わせたサイズと配置が重要です。 推奨されるタップ領域を確保しつつ、優先度や一貫性を意識すれば、UXは劇的に改善します。 使いやすいボタン設計は、小さな積み重ねで大きな成果につながります。