GA4 × Looker Studio:無料で作れるダッシュボード入門
2025年10月12日
GA4 の標準画面でも各種グラフやレポートはありますが、複数指標を組み合わせて見やすく整理した視覚化はできません。 そのギャップを埋めるのが Looker Studio との連携です。 本記事では、初心者でも使える GA4 のデータを用いた無料ダッシュボードの基本構成とポイントを紹介します。
Looker Studio と GA4 の連携方法(基本手順)
- Looker Studio にログイン → 「作成」→「データソースを追加」→「Google Analytics」コネクタを選択
- GA4 のアカウント・プロパティを選択して認可 → 「接続」→「レポートに追加」
- レポートのキャンバスにチャート、スコアカード、テーブルなどを配置し、指標・ディメンションを設定
- フィルタや期間比較、コントロール(ドロップダウン等)を追加してインタラクティブ性を持たせる
基本構成に入れたい指標・セクション例
- ユーザー数・セッション数・エンゲージメント数(基礎KPI)
- 媒体/チャネル別集客(source/medium)
- トップランディングページ別流入とパフォーマンス
- イベント・コンバージョン数と CVR(コンバージョン率)
- 時間帯/曜日トレンド
- ユーザー属性(地域、デバイス、ブラウザなど)
実用的な改善ポイント・工夫
見せたいデータを一つのレポートに詰め込みすぎないこと。 以下の工夫が効果的です:
- 定期的に更新される「スナップショット」ページと詳細分析ページを分ける
- フィルタ機能を使って特定チャネルや期間を切り替えられるようにする
- 複数データソースのブレンド(たとえば GA4+広告データ+CRM)で重層的な分析も可能にする
- BigQuery 経由で GA4 の生データを連携し、より自由な指標や細かい分析を可能にする
注意点・制限事項(最新仕様に基づくもの)
- Looker Studio の GA4 コネクタは、GA4 の “探索(Explore)” の分析構造そのものを再現するものではない
- GA4 コネクタはデータ API のクォータ(制限)に依存し、多用すると読み込みエラーになる可能性あり
- 合算や合計表示、大量データの集計において、カスタム計算フィールドやデータブレンドで “null” 値になるケースあり
- Looker Studio と GA4 間で指標や次元名の同期遅延が発生することがある(新指標が即座に反映されない場合あり)
まとめ
Looker Studio を活用すれば、GA4 単体では見にくい複数指標の統合可視化が可能になります。 無料で始められ、工夫次第で現場で使いやすいダッシュボードが作れます。 ただし、コネクタ制限や演算の癖といった仕様も把握しておかないと「グラフ崩れ」や「データ不整合」に悩むことになるので、この記事で挙げた注意点を押さえたうえで進めてみてください。