GA4の「比較」機能で何ができる?効果的な活用例と落とし穴

2025年10月 8日

GA4 の標準レポートを見ると、すべてのユーザーを対象としたデータが表示されますが、特定の条件で切り分けて比較したい場面も多いはずです。
そのときに使えるのが 比較(Comparisons)機能。 条件を指定して異なるユーザー群や流入経路を同一レポート内で比較できる強力な分析ツールです。 この記事では、比較機能で何ができるか、効果的な活用例、そして陥りやすい落とし穴を整理します。

比較機能でできること:何を“比較”できるか

比較機能を使うと、標準データとは別の条件を持つデータ群を視覚的に並べて確認できます。 例えば以下のような比較が可能です:

  • モバイル vs PC の流入ユーザーの行動比較
  • 自然検索流入 vs 広告流入ユーザーのコンバージョン比較
  • 地域ごとのユーザー行動差異(東京 vs 大阪など)
  • 特定キャンペーンの効果比較(例:メール流入 vs SNS流入)

これによって、たとえば「モバイルユーザーは直帰率が高い」「広告流入の滞在時間が短い」など、仮説を具体的に検証できます。

比較の設定手順(最新対応版)

  1. 任意の標準レポートを開く(例:集客、エンゲージメントなど)
  2. 右上の「比較を追加 / 比較データを編集」アイコンをクリック
  3. 既存の比較プリセットを選ぶか、+ 新規作成で条件を指定
  4. ディメンションを選び、マッチタイプ(完全一致・一部含む 等)と値を入力
  5. (条件を複数付ける場合は AND 論理で連結)
  6. 「適用」または「保存」で反映。保存すれば再利用可能

保存した比較は、プロパティのすべてのユーザーが利用でき、最大数も拡張された仕様になっています。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

効果的な活用例

以下は現場でよく使われる比較活用シーンです:

  • デバイス別比較:モバイル流入 vs PC 流入の行動傾向差を確認
  • 流入チャネル別比較:オーガニック vs 広告 vs 参照元流入の成果差を把握
  • 期間比較:今月 vs 先月/前年同期 比較(※日付比較も別機能)
  • キャンペーン効果比較:メール vs SNS vs 広告流入の成果比較
  • 特定ページ比較:例: /blog/ を含む vs /service/ ページでのユーザー行動差

落とし穴・制限と注意点

比較機能は便利ですが、使う上で注意すべき点もあります:

  • 使えるディメンションに制限あり:全ディメンションが使えるわけではない(イベント固有のディメンションは不可なことも):contentReference[oaicite:7]{index=7}
  • 条件同士は AND 論理で結合:OR 論理は同一条件内での複数値指定で対応:contentReference[oaicite:8]{index=8}
  • 保存数の上限や共有設定:比較は保存できるようになったが、保存可能な件数に制限があるプロパティもある:contentReference[oaicite:9]{index=9}
  • 比較が使えないレポートも:一部のレポート(リアルタイムなど)では比較機能が適用されない場合がある:contentReference[oaicite:10]{index=10}
  • 誤った解釈のリスク:比較結果だけで因果判断はできない。複数指標・定性的仮説と併用すべき

まとめ

GA4 の比較機能は、異なるユーザー群・流入経路・条件間の行動差を容易に可視化できる強力なツールです。 ただし、ディメンション制限や論理結合の制約、比較不可レポートなど、知っておかないと思わぬミスをする可能性もあります。 比較機能を使う際は、まず目的と仮説を明確にし、他指標や定性情報と組み合わせて解釈することで、本質的な改善につなげましょう。

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