イベントベースのGA4で「ページビュー」とは?勘違いしやすいポイント解説
2025年10月 6日
ユニバーサルアナリティクス(UA)からGA4に移行して最初に戸惑うのが、「ページビュー」の扱いです。
UAではセッションやページ単位での計測が中心でしたが、GA4はイベントベースの計測方式に変わりました。
そのため「ページビュー」という言葉が同じでも、意味や扱い方が微妙に異なります。
本記事では、GA4のページビューを正しく理解するためのポイントを解説します。
GA4の「ページビュー」とは?
GA4ではページが読み込まれると自動的にpage_viewイベントが発生します。
このイベントがカウントされるのが、GA4における「ページビュー」です。
UAのように「ページビュー=1ページの表示回数」という基本的な意味は同じですが、GA4ではすべての計測がイベント単位に統一されている点が大きな違いです。
勘違いしやすいポイント
ページビューは「ユーザー」や「セッション」ではなくイベントの一つ
UAでは「セッションの中に複数のページビュー」という考え方でした。
GA4では「ユーザー行動の中にpage_viewイベントが発生する」と整理する方が正確です。
この違いを理解していないと「セッション数とページビュー数の関係」を誤解しがちです。
SPA(シングルページアプリ)では追加設定が必要
画面遷移のないSPAサイトでは、通常のページリロードが起きません。
そのためGA4はデフォルトのままではpage_viewを計測できないケースがあります。
解決策: 仮想ページビュー(history changeイベントなど)を設定し、URL変化をトリガーに計測する必要があります。
「ビュー数」と「ユーザー数」を混同しない
ページビューは「表示回数」、ユーザー数は「訪問者数」です。
1人のユーザーが同じページを何度も読み込めば、その分ページビューは加算されます。
「ユーザーが増えたのか、同じ人が繰り返し見ているのか」を切り分けるために、両方の指標を見比べることが大切です。
ページビュー=直帰や離脱の判断基準ではない
UA時代は「1ページしか見られなかった=直帰」と理解されがちでした。
GA4では当初「直帰率」は廃止されましたが、現在はエンゲージメント率を基に再定義された直帰率が提供されています。
ただしPVの数字だけでは「読まれているのか、離脱されたのか」を判断できないことに変わりはありません。
離脱や直帰の分析を行う場合は、必ずエンゲージメント率やイベントとあわせて解釈することが重要です。
実務での活用ポイント
ページビューを正しく理解すれば、次のような実務で役立ちます:
- 記事ページ: PV数と平均エンゲージメント時間を組み合わせて「どれくらい読まれたか」を把握
- サービスページ: PV数とコンバージョン率を組み合わせて「見られたうえで行動につながったか」を確認
- トップページ: PV数と流入経路を組み合わせて「入口として機能しているか」を評価
単体のPVだけでは判断できないため、常に他の指標とセットで解釈することが重要です。
まとめ
GA4の「ページビュー」は、UAと同じ言葉でも中身はイベントベースのpage_viewに変わっています。
勘違いしやすいポイントは以下の通りです:
- ページビューはイベントの一つとしてカウントされる
- SPAでは仮想ページビュー設定が必要
- ユーザー数と混同しない
- 直帰率は再定義されて存在するが、PVだけでは判断できない
ページビューを「数」ではなく「ユーザー行動を捉えるきっかけ」として活用することで、GA4の分析はより実務に役立つものになります。