GA4で離脱率は見られる?数字に惑わされずユーザー行動を理解する方法

2025年10月 5日

ユニバーサルアナリティクス(UA)時代によく使われていた「離脱率」。
GA4ではデフォルトで表示されず、「見られなくなったのでは?」と感じている方も多いでしょう。
しかし本当に大事なのは「離脱率」という数字そのものではなく、ユーザーがなぜそのページを最後にしたのかを理解することです。
本記事では、GA4で離脱率をどう扱うか、そしてRARE TEKTが実務でどう向き合っているかを解説します。

1. GA4では「ユーザー視点」の行動を重視している

GA4はUAと異なり、セッションやページビューではなくイベントベースでユーザー行動を計測しています。
そのため「最後に閲覧されたページの割合」を示す離脱率は、サイト視点の指標としてそのままでは提供されていません。
GA4が目指しているのは、ユーザーがサイトやアプリをどう体験しているかを把握することです。

2. 離脱率をGA4で見る方法は「探索」で可能

GA4に離脱率が完全になくなったわけではありません。
「探索」機能を使い、ディメンションに「ページ」、指標に「離脱数(Exits)」を追加し、ページビュー数で割れば算出できます。
つまり離脱率を見る方法は一応存在するのです。
ただしRARE TEKTでは、この数値を主要KPIとして重視することはありません。

3. 離脱率を重視しない理由

離脱率は「最後に閲覧されたページ」に過ぎません。
例えば記事ページでユーザーが情報を得て目的を果たしたなら、それは離脱でも問題ではないはずです。
逆に、サービスページでアクションが起きずに離脱したなら課題ですが、その原因は「離脱率の高さ」ではなく、コンテンツやナビゲーションがニーズに合っていないことにあります。
つまり、離脱率を見ても本質的な改善ポイントには直結しづらいのです。

4. 本当に見るべきものはユーザーニーズ

離脱率の裏で知りたいのは、

  • ユーザーのニーズにコンテンツが合っているか
  • ナビゲーションが有効に機能しているか

この2点です。 そして、それを理解するにはヒューリスティック評価ユーザビリティテストのほうが圧倒的に早く、正確に改善につながります。

5. アクセスの多いページはヒートマップで可視化

特にアクセス数の多いページや、ビジネス上重要なページであれば、ヒートマップツールの導入を推奨します。
スクロール率やクリック箇所が見えるため、「どこで離脱したのか」ではなく「なぜ離脱したのか」を直接把握できます。
これは離脱率という漠然とした数字よりも、具体的な改善施策に直結します。

まとめ

GA4でも探索を使えば離脱率は確認できます。
しかしRARE TEKTでは、離脱率を主要指標として重視することはありません。
離脱率で知りたい本質は「ニーズと合っているか」「ナビゲーションが有効か」という点であり、これを理解する最短ルートは次の3つです:

  • ヒューリスティック評価で課題を洗い出す
  • ユーザビリティテストで行動を観察する
  • 重要ページではヒートマップを導入する

離脱率に囚われるよりも、ユーザーの実際の行動や体験に目を向けることが、サイト改善を成功させるための最速で最重要なアプローチです。

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