GA4でコンバージョンが正しくカウントされないときの原因
2025年 9月19日
GA4を導入したものの、「コンバージョンが正しく計測されない」「デバッグビューでは動いているのにレポートに反映されない」といった悩みは非常に多いです。
その原因はひとつではなく、タグの設定ミスからGA4特有の仕様、ユーザー環境まで幅広い要因が存在します。
本記事では、実務でよく遭遇するパターンをできるだけ網羅的に整理しました。
1. 設定ミスによる原因
- イベントが送信されていない → GA4に届く前段階でタグ自体が発火していない。
- コンバージョン指定するイベントを間違えている → 実際には
purchase
を送信しているのに、GA4で購入完了
など別名のイベントを登録している。 - タグの二重設置 → サイトに直接GA4タグが埋め込まれており、さらにGTMからも送信しているケース。正しくカウントされなかったり二重計測になる。
2. Google Tag Manager(GTM)関連の原因
- トリガー条件の誤り → 「Thank youページ」のURL条件が微妙に違い、発火していない。
- 発火タイミングが不適切 → フォーム送信成功前にイベントが発火し、正しいコンバージョンが取れない。
- プレビューでは動くが本番で動かない → 公開忘れや、公開環境での条件差異が原因。
3. GA4の仕様・制約による原因
- コンバージョン反映にラグがある → デバッグビューでは即時反映されるが、レポートは数時間~24時間遅れることがある。
- イベント数とコンバージョン数の不一致 → 1セッション内で同じイベントが複数回発生しても、ユニーク換算で少なく見える。
- サンプリングの影響 → 大規模データや期間が長い場合、GA4でサンプリングが発生し正確に表示されない。
- データ保持期間の制約 → ユーザー単位での追跡が「2か月」や「14か月」に制限され、過去データが参照できない。
4. クロスドメインやリファラ関連の原因
- クロスドメイン設定がされていない → 決済ページや外部サービスを経由する際にセッションが分断され、コンバージョンが「新規セッション」として計測される。
- リダイレクトの影響 → 広告LPから本サイトへ301/302リダイレクトがあり、リファラが正しく引き継がれない。
- iframeや外部フォームの利用 → 外部サービスでのコンバージョン計測がGA4に届いていない。
5. ユーザー環境による原因
- アドブロッカーの影響 → GA4タグがブロックされ、イベントが送信されない。
- Cookie制限 → SafariやiOSではITP(Intelligent Tracking Prevention)によりCookie寿命が短く、セッションが途切れる。
- JavaScriptエラー → ページ内スクリプトの競合でGTMの処理が止まり、イベントが発火しない。
6. GA4管理画面での設定不備
- コンバージョン登録していない → イベントは送られているが「コンバージョンに設定」をオンにしていない。
- 同名イベントの混在 → 似た名前のイベントが複数あり、意図と違う方をコンバージョンにしている。
- 条件付きコンバージョンの設定が厳しすぎる → パラメータ一致条件を細かくしすぎて、想定外に除外されている。
7. 計測テスト段階での勘違い
- デバッグビューと本番数値の差 → デバッグでは「送信」を確認できても、実際のレポートとは一致しないことがある。
- 自分のアクセスを除外していない → IPフィルタを入れておらず、テストで発火した数値が混ざっている。
改善のステップ
- デバッグビューでイベント発火を確認
- リアルタイムレポートで反映を確認
- イベントが計測されているか管理画面で確認
- コンバージョンに設定されているか確認
- サーチコンソールやタグアシスタントで外部要因も調査
まとめ
GA4でコンバージョンが正しくカウントされないときの原因は、
「設定ミス」から「仕様」「環境要因」まで本当に多岐にわたります。
ひとつずつ切り分けて調査し、
1) タグの発火 → 2) イベント送信 → 3) 管理画面設定 → 4) レポート反映
の流れで確認することが解決の近道です。
「なぜ反映されないのか?」に悩むのではなく、原因をパターン化して順番に潰すことで、安定した計測体制を構築できます。