文字や見づらい!コントラスト不足はアクセシビリティ違反?

2025年 9月10日

「文字が薄くて読みにくい」「背景と文字色が似ていて目が疲れる」――こうした不満は口コミでもよく見かけます。 オシャレなデザインを意識するあまり、視認性が犠牲になっているケースは少なくありません。 実はこの「コントラスト不足」、国際的なアクセシビリティ指針であるWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)では明確に基準が定められており、守らなければ“違反”とみなされる場合もあります。

コントラスト比とは?

コントラスト比とは「文字色と背景色の明るさの差」を数値化したものです。 WCAG 2.1では、以下の基準が設けられています。

  • 通常の文字:4.5:1 以上
  • 大きな文字(18pt以上 または 太字14pt以上):3:1 以上

例えば白背景に薄いグレー文字(#FFFFFF × #CCCCCC)はコントラスト比が不足し、基準を満たしません。結果的に「読みにくい」と感じるユーザーが増えてしまいます。

なぜコントラスト不足が起きるのか

デザイントレンドとして「ミニマルで淡い色合い」が好まれることがあります。しかし、そのまま文字やUI要素に適用すると視認性が著しく低下します。 特にスマホ環境では外光や画面の明るさ調整によってさらに見づらくなり、ユーザーが情報を正しく得られなくなります。

コントラスト不足は誰に影響するのか

視覚障害のあるユーザー(弱視、色覚多様性など)にとって、コントラスト不足は致命的です。 しかし影響は限定的ではなく、健常者でも暗い場所や屋外の日差しの下では同様に読みにくさを感じます。 つまり「誰にとっても不便」になりうる問題なのです。

改善のためのチェック方法

コントラスト比は、無料のオンラインツールで簡単に確認できます。 代表的なものとして「WebAIM Contrast Checker」や「Color Contrast Analyser」があります。 デザイン段階で色の組み合わせを確認し、基準を満たすよう調整することが推奨されます。

まとめ

コントラスト不足は単なるデザイン上の好みの問題ではなく、国際的なガイドラインで禁止されている「アクセシビリティ違反」に直結する可能性があります。 基準を守ることは特定の障害を持つユーザーのためだけでなく、全ユーザーにとって快適な体験を提供することにつながります。

RARE TEKTでは、アクセシビリティを重視したデザイン設計を行い、見た目の美しさと使いやすさを両立させています。 次回は「なぜUIは改善されないのか?制作者と利用者のギャップ」をテーマに掘り下げます。

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