見た目はいいのに…なぜWebサイトが“使いにくい”のか?
2025年 9月 7日
「最近のWebサイトってデザインはオシャレだけど、使いにくくないですか?」――Yahoo!知恵袋などでもよく見かける声です。 情報を探したいだけなのに、派手なアニメーションや凝ったレイアウトに邪魔されて目的のページにたどり着けない。 このような「見た目はいいのに不便」という現象は、なぜ起きるのでしょうか。
原因1:情報設計が不十分
サイトの役割は「ユーザーが目的を達成するのを助けること」です。 ところがデザイン優先で情報設計(IA:Information Architecture)が軽視されると、「企業側が伝えたいことを優先する」ようになり、ユーザーにとって必要な情報がどこにあるか分かりづらくなります。 ナビゲーションが複雑だったり、重要な情報が画像に埋もれていたりすると、見た目は美しくてもユーザーは迷子になってしまいます。
原因2:過剰な装飾や演出
動きのあるアニメーションや大胆なビジュアルは、ブランドを印象づける効果があります。 しかし、読み込みが遅くなったり、コンテンツの視認性を下げたりすれば本末転倒です。 特にモバイル環境では「重いサイト」はそれだけで離脱につながります。 デザインと演出は目的をサポートするものであるべきで、目的を阻害してはいけません。
原因3:アクセシビリティの欠如
「文字が小さくて読めない」「背景色と文字色が似すぎていて目が疲れる」。 これらはアクセシビリティの配慮不足による典型的な問題です。 WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)では、十分なコントラスト比や適切な文字サイズが推奨されています。 これを守らないと、一部のユーザーだけでなく、誰にとっても「読みにくいサイト」になってしまいます。
解決の方向性
「使いやすさ」を改善するには、まずユーザーが求めている情報や行動を明確にすることが出発点です。 その上で、次のような取り組みが有効です。
- 情報設計(IA)を整理し、重要情報へ短い導線で到達できるようにする。
- 装飾や演出は控えめにし、ユーザーの行動をサポートする役割に徹する。
- 文字サイズや色のコントラストなど、アクセシビリティ指針を最低限守る。
- 実際にユーザーに触ってもらい、使いにくさをテストで発見する。
結局のところ「美しいデザイン」と「使いやすい体験」は対立するものではありません。 両立させるには、ユーザーの目的を第一に据えた設計が不可欠です。
まとめ
「見た目はいいのに使いにくいサイト」が生まれる背景には、情報設計不足・過剰な装飾・アクセシビリティ軽視といった共通点があります。 本当に評価されるWebサイトは「オシャレさ」だけでなく「目的をスムーズに達成できる体験」を提供できるものです。
RARE TEKTでは、デザイン性とユーザビリティを両立させたWebサイト制作を重視しています。 次回のコラムでは「フォーム離脱の本当の理由と改善のコツ」を取り上げ、さらに具体的なユーザビリティ改善のポイントを紹介します。